『若手theよしもと 5じ6じ Presents BIG CHANCE!!〜7じ9じ昇格トーナメント〜』

ヒルズでの疲れが抜けないまま。お気に入り芸人が何組も出るとあって、いったい誰が幸運をつかむんだろ?と思いながら会場へ。


10組もいたため、抽選による対戦決定部分でもうかなりおなかいっぱい気分になり、疲れてしまった。みんなのトークは間違いではなかったんだけども。(あとで思うに場内が暖房のため空気が悪く、酸欠ぎみ→鈍い頭痛 を誘ったのもある)
そんなコンディションなのは私だけじゃなかったようで、空気は重かった。
なので、サラッとカラッとしたフラットな笑いを欲した。


そこにハマったのが、ポテト少年団とLLR。
ポテ少はほんとに昨年半ばからの成長がめざましくて嬉しい。(8年めでエンジンかかるなんて遅いけど、かからないままじゃなくてよかった!)
気軽に笑える明るい笑いを提供してくれた。
1つめと2つめはほんとに絶好調で、安心して笑えた。
3つめにやったネタは、後半、ある部分の内藤のボケのウケがそれまでより小さくなってしまいそれに続く中谷のボケも同じぐらいになってしまい、明らかに失速した。本人達も分かっただろうと思うぐらい空気が変わった。後半をまだ充分には作りこんでないネタだったのかな?まさか決勝行くとは思わなくて、とか?残念。


LLR。コント師のイメージがあったのだけど、なぜか漫才で。
抽選時に、はりけ〜んず前田の「ガンダムシード」という小ボケに「知らねーよ」と発言ではなくガラ悪くつぶやいてて“大人を小バカにする今どきの若者”っぷりに正直カチンときたので、あたしが審査員だったら票は入れなかったんだけどな。(審査権、隣の子に譲らなきゃよかったな…。そしたらノブコブがロシモンに勝ってたし、もしかしたら…)
でも今日の彼らの評価すべき点は、緊張感を客に伝えず、フラットにサラッとネタをやり続けたこと。
福田の舞台度胸はほんとすげぇな。もしかして、伊藤が緊張しぃだからっていうのもコントじゃなくて漫才にした理由かもしれない、と思うほど、福田の心無い感じの流暢でライトなしゃべりによるグルーヴは、うす味を求める今日の空気に上手く合っていた。高い声質も助けたかも。


ほかのコンビは、“大勝負”ということを意識しすぎたか、代表作ネタを持ってくるのはいいのだけど、この会場に来てるお客さんはふだん『5じ6じ』とか若手ライブに来てるわけで。見たことあるネタがほとんど。しかも、その“前に観た時”を超えるor吹っ飛ばす何かがないと笑えないわけで。
平成ノブシコブシコンマニセンチガリットチュウも、ほんとに好きだけど、前の記憶を超えなかった。
バッドボーイズが勝たないのもそういう理由です。全部展開が同じパターンなのもキツかった。
その点、ロシモンの“スパイダーおかん”は今日観ても可笑しかった。ああいう、力の抜けた笑いが今日は求められてたよな。途中、おぎやはぎが観たくなったもん。


エンディングでも言ってたように、またやってほしい。
その時に備えて、注意点を改めて。
 ・芸人ランクを決める大勝負なので力が入るのは解るけど、お客さんの求めてる空気を敏感に察知し、力の抜きどころを作ろう。
  笑いは、「緊張」だけでは生まれない。「緊張」と「弛緩」の成せるものです。