グランジ単独ライブ『教えてくれた』@ヤクルトホール

開場18:30 開演19:00
出演/グランジ


前売自由-2,500円(2008/12/6(土) (Pコード391-640)発売〜)
問い合わせ先;チケットよしもとインフォメーション:0570-036-912


『よしもと若手ばかり 一足お先に春の単独祭り2009』の一つ。


【“神保町の日々”は無駄ではなかった】
吉本興業主催の若手ライブや神保町花月には多数出演しているものの、外部への露出は先日放送された『新しい波16』が初という、会社から評価されているんだかされていないんだか…な状態ゆえか、吉本ライブに行かない人には知られていないが、吉本ライブ常連客には好感をもって観られている彼ら。
今回、キャパ400人台のルミネtheよしもとを飛び越してキャパ570人ほどのヤクルトホールという大劇場で行われることになった単独ライブが発売日に即ソールドアウトしたのも、おそらく、それぞれのパーソナリティの良さから「グランジが、そんな大きなところでやるなら、行かなきゃ!」と思わせたんじゃなかろうか。「グランジ、キラ〜イ」って言われてるの、聞いたことが無い。


そんな、あったかい目で見守られる雰囲気で始まった、今日の単独ライブ。
ようやく「三人それぞれが、それぞれの個性で出来ることを発揮する」という、理想的なベストの尽くし方がされたように思う。
かつての単独ライブは、絶対漫才よりコント映えする彼らなのにオープニングとエンディングに長漫才をしたり、“常に佐藤大がツッコミ、ほかの二人がボケる”というスタイルの定着を図っているように思えたが、
今回、三人の個々の役割は縛られることなく、ネタによって変わっていた。


“役割の持ち回り”は、ともすればネタの印象を散漫にしてしまう危険性もはらんでおり、手腕が問われるところだが、
「神保町花月に多用される“神保町芸人”」と呼ばれながらも芝居の舞台をこなしていったことで磨かれた演技力や声量、はたまた「それぞれにどんぴしゃなセリフ・所作の発見」の積み重ねがみごとに昇華し反映され、つつがないネタへと仕上がっていた。
コント一つ一つの終わりには拍手が起き、背伸びせず無駄の無い幕間のVTRは狙い通りに笑いが起こった。エンディングの挨拶でもあたたかい拍手が響いた。単独ライブは、成功した。




…しかしながら、「グランジの5年後」が想像できない。
東京03のように、良質のコントを定期的に作り、それをテレビに下ろしてゆく?
爆笑レッドカーペット』みたいな番組に出て行く?
ルミネを支える、舞台芸人になる…?


「彼らをテレビ局のプロデューサーなどにオススメするときの3行」が思いつかない、テレビでの彼らの使い途=活かされ方が思いつかないんである。
若手としては大規模動員を達成した彼らの次の課題は、「自分達をこう使ってください!」という方向を明白にアピールしていくことだと思う。
売れてる人は、それができている。