『キングオブコント2010 準決勝2日目@赤坂BLITZ(東京)

開場17:00 開演18:00


※『 』は、演者がタイトルを声に出した等でネタ名が明らか
※東京三回戦と同じネタ(※一部改良も含む)には「◇」付


《ものいい》(設定:コンビニバイトの面接◇) ウケ△
かの「違うか!」を一切言わないものの、「違うか!」と同じことやん…と思ってしまうネタ。吉田サラダがイキリキャラとなり一方的なボケを重ねるのですが、三回戦はボケの迫力で押しきったのに、今日は“弛緩”を入れたつもりだったのかセリフのテンポを落とす箇所が度々。それで失速…。

《ザ・ゴールデンゴールデン》(山崎が宇宙人…?) ウケ○
インパクトある顔面のキーマン・北沢さん演じる人物の自己主張度が三回戦より弱かったのが残念。北沢さんが翻弄されながらも強さを持ってるネタのほうが爆発するなぁ。

イワイガワ》(純喫茶ナポリ)ウケ○
これ持ってきたか…。かつての、ジョニ男さんがはしゃぎすぎるパターンのネタを期待していたのですが、最近よく演ってたこちらのネタでした。すかし系のボケなので、ふわっとしがちなところを井川さんのツッコミで区切る感じ。しかし最後までボケが強まることなくツッコミありきでしか笑いが生まれず…物足りなかったかもしれません。

カリカ》(設定;剣と姫 ※from単独ライブ『魔王コント』)ウケ○
先日行われた単独ライブ『魔王コント』からのシングルカット。もともと2時間全部がつながっているライブの1篇で もっと長いため、家城さん演じる姫の抱えたものや林さんの置かれている立場等の前フリもそこそこに話がググッと進む。客席の一部はめっちゃ笑っていたが そうでない人もいたのは、話の前提を理解できていたかどうかによった気がします。
それでもこのネタを選んだのは、家城=ブサイクというイメージなネタを…!という、カリカなりのテレビ視聴者層を意識した対策ではないかとは思いますが。

インスタントジョンソン》(カラオケ接待)ウケ○
既存パターンだがキャッチーなネタ。観客も審査モードというより楽しむ空気に。

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《ポラロイドマガジン》(設定;文化祭の出しものを決める)ウケ○→◎
一つ一つのボケのアイデアはフツーといえばフツーなのですが、誰でも「プッ」と吹きだすようなものを連射+空間活用の楽しさで、どんどんウケが大きく。
(しかし辛口で言うなら、この空間移動の妙をテレビ放送で見せるのはちょっと難しい。ライブ向きなネタ。)

ジャングルポケット》(設定:高校での進路相談◇)ウケ◎
三回戦での感想「対比の構図かつ、キラーキャラがボケっぱなしでいられる設定という強力さ。メリハリあるわかりやすさで全てのボケがクリーンヒット」まんま。たとえ一度観たことがあっても、斉藤さんのボケの振り幅が大げさなので、その大げさぐあいに笑ってしまうネタ。

さらば青春の光》『上司と部下』ウケ○
上司と部下というスタートながら、部下がしょっぱなから上司に斬りこんでいく痛快さを押したネタ。同じ構図のくり返しなのに絶妙な間とテンポで軽妙に進む。しかし、もっと展開するかと思ったなぁ…が正直な感想。
ネタのスタイルがちょっと「バイきんぐ」っぽいとも思いました(批判ではないです)。

《Wエンジン》『東京へと嫁ぐ娘』ウケ△
三回戦とは違うネタですが、また泣かせるコント。というかミニドラマ。もう父親が他界したわたしですが、「お父さんがいたらこんなかなぁ…」とか考えさせられた。泣いてまうやろ!今日気づいたのですが、えとうさんの抑えめな演技がかなり効いている。
かといって、KOC本放送でもしこのネタをやったら松ちゃんが「泣いてまうやろ!笑うんじゃなくてな」的揶揄をしそうではある。

《アップダウン》(設定;立てこもり犯と刑事)ウケ○→◎
最初はこの設定にありがちな展開のため笑いがほぼ起こらなかったが、竹森さん演じる刑事の態度の切り替わり以降、テンポが加速・ポテンシャルが増大。しかし阿部さん演じる犯人側からのやけくそなやり返しを期待した自分には、物足りないまま終了。

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《鬼ヶ島》(設定:クラスに転校生が◇)ウケ◎ 
ファンにも大好評なネタで参戦。初見の人にもわかる関係性、所作の愛らしさとバカバカしさで爆笑を得た。

《ダイアン》(設定;ジャンケン道場)ウケ○
西澤ワールド全開!のシュール寄りのボケを淡々と連打。が、「ジャンケンのコツ」以外への寄り道が少なく、観客の共感を得られる範囲が狭いまま終わった。

ななめ45°》(設定;電気修理工とお客と…)ウケ○
三回戦の(家庭教師と生徒と…)同様、トリオを活かした対決設定だが、下池さん演じるお客役の切り返し言葉が三回戦よりも設定にハマっていない・弱いため、岡安さんの一人言いがかり感が強くなってしまい=ただのイタい人っぽく映ってしまった印象。
 
アメリカザリガニ》(設定;彼女とデートのはずが…)ウケ△
もしかして、もともとはもっと長いネタだったりするのでしょうか?デートという設定なら二人の感情の移り変わりを楽しみたいのに、次々と進みすぎて(後半は肝心の姿が見えないし)動作優先だった印象。

シャンプーハット》『失礼教室』ウケ△
小出水さんらしいおとぼけボケを連打、なんだけど、あまりにストーリーが展開していかず、ピンでのフリップネタでもええやん…との思いがよぎってしまった。
10$といい、このへんのbaseの世代の人は、このぐらいのボケは序の口であるという今の潮流にもっと付いていかないと厳しいよ…。

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《83幕府》(設定;宝くじが当たった…)ウケ△
三回戦の“読みあげネタ”と替えてきたのはよかったが、人物の会話が相乗していかず・やりとりが不完全。こんな状況にもしなったら、もっともつれて当然でしょうが、あっさり…。もっと人と人との思惑の絡みを見せてほしかった。

ラバーガール》(猫カフェ)ウケ◎
先日の単独ライブ『キャット』でも好評だったネタをシングルカット。三回戦の『足裏マッサージ』と構図は酷似しているものの、小道具を効果的に使い、万人にわかりやすい雰囲気を保ちながら進行、全ボケがヒット。

《トップリード》(設定;刑事とヨクルトおばさん)ウケ○
感情の機微が魅力であるトップリードにして、感情の推移よりも動きで見せるこのネタを。まさかの選択。
新妻さんは楽しめるネタだろうし楽しそうなんですけどね、途中から「楽しそうだなぁ」と微笑みはすれど、爆笑はうまれにくい。弛緩どころがないのかな。

《しずる》(シナリオ通りさ)ウケ◎
ちょっとしたショートショート小説を読んでいるかのような感覚に襲われるドミノ倒しのようなストーリー展開はまるでTHE GEESEがやってもおかしくないほどの高レベル。悪人とダメ人間を行き来できる池田さんの特性が最大限に活かされ、一瞬たりとも見のがせないながら、ところどころにマンガ的ナンセンスな言動が散りばめられ、それがしっかり爆笑を獲得。
“お笑い参考書”に載せたいネタ。

《シャカ》(夏を制する者は受験を制する)ウケ○
三回戦よりも大熊さんらしさ爆発・高温のネタで引っぱっていったが、終盤の歌ボケに入るといきなり失速(ライムまでのメロディーも長かったしね)。クライマックス=歌ボケでゴール、は古いって…。

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キングオブコメディ》(設定:誘拐犯と人質◇)ウケ◎
三回戦と同ネタながら、「明転スタート時から笑いが。利害関係を期待通りに壊しにかかるボケで観客の心を終始キャッチ」なままでホッとした。途中、笑い声が残っているためセリフが聞き取れない箇所も! 何度観ても笑えるネタ、に認定。 

ザブングル》(設定;余裕な男)ウケ○
あったかい空気で迎え入れられながら、ボケとボケの間がいつもよりあいたため、笑いの数が自ずと少なく。烈火のごとく怒るシーンもイメージよりも抑えめで、期待値を上回らない様子で終了。
 
《我が家》(設定;甲子園をめざす高校球児)ウケ○
実際に休業中の杉山さんに引っかけ、高校の野球部員杉山がケガで休部中という設定で、杉山に贈るため谷田部が書いてきた激励の手紙に坪倉がダメ出ししてゆく。三回戦のネタ同様、ほとんど動くことなく進行し、野球部的アクションにつながってゆかないのが物足りなく感じた。

ザ・プラン9》(設定;コンビニで…)ウケ△
観客も疲弊してきた時間帯において、前半2分が凡庸な展開。と思いきや、それは前フリで…という、プラン9本公演お得意のからくり構造。なのですが、前半部分があまりに退屈。そして後半のボケのパンチ力も弱し。
プラン9にも“ひと世代前感”を抱いてしまい、切なかった…。 

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グランジ》(設定;合コン相手は… from単独ライブ『あたいとシッダルタ』)ウケ○
盛り下がった空気のなか、代表作の1つであるこのネタをもってしても、会場全体の爆笑には届かず…。わたしも、相手がそうだったらそうでしょうね〜、という気持ちに…。ボケを憶えてしまっていたら笑いが少なくなるタイプのネタなのか?もしも、ボケ二人の関係性の遊びがあれば、感情を揺さぶられたかも。

カナリア》(設定;花嫁と約束した男と…◇)ウケ△
三回戦を観た人にはウケなかったかもしれない。また、シリアスなトーンの前フリが長めなため、疲弊している人のテンションがなかなか上がりにくい状況だったとも推測。
 
チーモンチョーチュウ》(設定;コンビニで…◇)ウケ△
一度観ると憶えてしまう内容なので、三回戦を観た人にはウケないだろうな。改良もナシ。

ハマカーン》(設定;本を買ったら…◇)ウケ○→◎
三回戦と同様、途中から盛り返した。(しかし個人的には三回戦と同ネタが続いたこの時間は爆睡と紙一重でした…) 

野性爆弾》(設定;鳥を…)ウケ○
愛嬌よく登場するも、疲弊続く会場にはいつもほどは響かず…。ロッシーのたどたどしさが災いした感が。もっと大きな小道具使うナンセンスネタのほうがよかったかも…。

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《アームストロング》(設定;女子バレー部)ウケ○
ずーっとおんなじ感じ。三回戦のネタのときよりも二人の関係が対立していないため淡々と見えてしまい。
 
ラフ・コントロール》(設定;手術前日の男の子と野球選手◇)ウケ△
こちらも一度観ると憶えてしまうストーリーなうえ、ボケが言葉ボケのみ=視覚的メリハリがないため、空気を盛り返せず。改良もナシ…。
 
エレキコミック》(設定;おじとおい◇) ウケ○
こちらも三回戦と同ネタ!替えてきてほしかった…。
盛り返そうとしてボケに熱がこもるやついさん。が、それがちょっと力入りすぎで逆効果に。もー。


《ロッチ》(設定;催眠術の弟子と師匠) ウケ◎
いよいよ疲弊しきった会場に、所作・音・表情ともに解りやすいボケの応酬が大ハマり。ゆるさがハマる、という妙。
ロッチがここまで渡ってきたコツを垣間見た気がしました。


【ウケ基準に比重をおいての決勝進出者予想】
キングオブコメディジャルジャルしずるかまいたち天竺鼠ラバーガールピース



【テレビ的なこと邪推しての決勝進出者予想】
キングオブコメディジャルジャルしずる、TKO、かまいたちロッチピースTHE GEESE