『「重い心」を軽くするには?』

ダカーポ』メルマガ編集部だより2005年6月1日より。
「今年、寺山修司生誕70年です。それにちなんだわけではないけれど、ふと浮かんだ言葉が、「書を捨て街へ出よう」でした。
寺山修司が1967年に出した評論集のタイトルです。まだ中学生だった私には、そのタイトルのほんとうに意味するところは理解できてはいなかったと思うのだけれど、「本ばっかり読んで頭だけで考えていないで、街に出かけてみようよ。もっとおもしろいこと、刺激的なことがたくさんあるよ」っていうふうに受け取ったわけです。

40年近い年月が流れて、今、日本中でひきこもる人たちが増えています。新聞によると全人口の6〜7%がうつ病だそうです。軽いものまで入れると、10%だという医者もいます。ニートと呼ばれる仕事をしていない、学校にもいっていない、職業訓練もうけていない若い人たちも増えています。一説によると100万人を超えてるとか。もちろん彼らは40年前とは違って、本は読んでいないかも知れませんが、何かが原因で内向きになって頭で一生懸命考え込んでしまっているように思います。

とにかく、今、日本中の気持ちが後ろ向きになっています。
思いっきり笑ったり、泣いたり、怒ったり、恋したり、そんな体験していますか? 免疫力について研究してきた吉野槙一先生によると、頭が真っ白になる
くらい心が揺さぶられると、からだも心もよくなっていくそうです。
何となく、わかる気がします。でも、どうしたら、頭が真っ白になるくらい心が揺さぶることができるのか。頭で考ても、こればっかりはわからない。
だから、街に出かけてみませんか? 誰かに会いに行くためでなくていい。ふらっと出かけるだけでいいのです。それだけで、きっと何かに出合うはずです。●勝屋」